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第28回トータルライフ医療学術集会において、当会からも発表しました。

[2019.12.04]

11月23日(土・祝)、第28回トータルライフ(TL)医療学術集会が秋葉原UDXで開催されました。その場で、当会の長屋直樹副院長、武未希子看護主任、三吉裕子看護師、加藤真美ケアマネジャーが演題発表をしました。

学術集会のテーマは、「魂の可能性を引き出す医療への挑戦――AIの時代に求められる医療を拓く」で、医療のみならず、福祉や教育分野からも、TL人間学を基に実践している皆様が、27題に及ぶ演題発表をされました。その場には、全国から160名もの皆様が参加され、熱気に包まれた場となりました。

特別講演として、AI(人工知能)研究の第一人者でもある、三重大学大学院工学研究科教授 若林哲史氏より、「人工知能から拡張知能へ」と題した講演をいただきました。AI研究の歩みと現状、そしてAIを人の代替ではなく人と共生し人の能力を拡張するパートナーとして捉える拡張知能について述べられました。AIを活用しながらも、人を中心に据えていくという方向性のお話に、大きな可能性と希望を感じました。

長屋副院長は、[予測・予防医療への挑戦]というセッションで、「『健康と長寿のための因縁果報』を土台に、がん患者への食事療法を中心とした切勝つ指導の実践について」という演題発表をしました。長屋副院長は、最新のがん治療の知見を踏まえつつ、がん患者さんにとって少しでも有益で可能性があると思われる食事療法や代替療法を行ないつつ、患者さんのお気持ちが光転へと転換されるための同伴を行なっていますが、実際のケースを示しながら、その可能性について述べました。

武看護主任は、ポスターセッション[TL人間学(魂の学)に基づく癒しの医療を実践する]において、「血糖コントロール不良の患者への食事指導を通して考えるTL看護――『健康と長寿のための因縁果報』を土台として(第一報)」という演題発表を行ないました。服薬が不規則で糖尿病がとても悪化していた患者さんに食事指導するとともに傾聴に努めるなかで、盲点となっていた食習慣が判明し、その食習慣の改善と服薬の遵守によって糖尿病が著明に改善したというケースが紹介されました。その過程を通して、武看護主任はその方のとの心の距離が絆が深まり「出会えることが喜び」と心底思えたことを語りました。

加藤ケアマネジャーは、ポスターセッション「人間を魂と見る経営、教育、福祉分野の挑戦」において「『因縁果報ウイズダム』の取り組みによるケアマネジャーのパラダイム転換への挑戦」というテーマで発表しました。デイサービスを次々に変える利用者に対して、ケアマネジャー自らが心を転換し、利用者の願いを引き出し関わり続けたことで、利用者がデイサービスに定着すると共に今までの人生を受容され、認知症は進行しても活動性やうつ症状は改善したという、これから必要とされる未来型のケアマネジメントを目指した実践でした。

三吉看護師は、[人間を魂として受けとめる終末期医療への挑戦]というセッションで、「TL人間学(魂の学)を基とした訪問看護での看取りの1例」という演題発表を行ないました。「早く死にたい」と仰っていた肝臓癌末期の患者さんへの訪問看護に際して、患者さんのお気持ちに寄り添い人生について傾聴を重ねることで、その方が自らの人生や死を受容し、ご家族との絆を結び直して旅立ってゆかれた体験を紹介しました。残されたご家族は、ご葬儀に際して「最期を家で一緒に過ごせて本当によかった」と、故人への愛念と感謝と語られたと言います。

いずれの発表も、「人間を魂としてみる」TL人間学を基とした実践で、会場の皆様は大変感銘を受けておられました。病にあっても必ず道があり、お一人おひとりの人生を深めてゆくことができる! そのような医療をより一層模索し提供してゆきたいと想いを新たにした学術集会でした。

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